この記事を開いたということは、イラン旅行を検討していることでしょう。もしくは既に渡航を決めて、旅行情報を収集しているかもしれません。
そして現在、期待と不安で溢れているのではないでしょうか。
- 交通機関を駆使して予定通りに移動できるな
- 英語はほとんど通じないらしいし、迷子になったらどうしよう
- ネット規制があるなんて話も聞くし、自分が行くにはまだ早いかも
たくさんの悩みがあるかもしれません。私も同じような心境でしたので、尚更よくわかります。しかし、そのような不安を抱えながらも勢い任せで、昨年2019年11月に3週間かけてイランを一周してきました。結果行って本当に良かったと心から思います。
そして、海外旅行が大好きな人には是非一度イランに訪れて欲しいと思います!
今回は私の実体験をもとに、イラン旅行で活躍したアプリをご紹介します。どれもが優秀で不可欠なアプリで、私のイラン滞在を大いに快適にしてくれたものばかりです。
イラン旅行でこの6つのアプリを使って、素晴らしい思い出を作りましょう。
1.為替レートアプリ – BONBAST
出鼻を挫かれるようですが、イランの現金両替は非常に厄介です。ここでは為替レートに絞って、役立つ情報をご紹介します。
皆さんもご存知かと思いますが、現在イラン通貨のリアルは米国の経済制裁によって、公定為替レートと実勢為替レートが乖離している状況が続いています。
- 公定為替レート:国が定めた為替価格
- 実勢為替レート:実際の通貨の対外価値を示す為替価格
日本円で説明すると、昔は公定為替レートで1$=360円で為替が固定されていました。しかし、1973年に「変動相場制」が導入されてIMF加盟国のレートは市場の需給に応じて自由に変動することになり、その実勢に基づいた為替つまり実勢為替レートに移行し、今でも実勢為替レートで日本経済は動いています。
イランは公定為替レートを定めている国であり、実際に市場で取引きする実勢為替レートとの多重為替レートとなっています。イラン国内では実勢レートで現金両替を行いますが、残念なことに一部の両替所では公定レートを吹っかけて来る場合があります。
「BONBAST」は、実勢レートを表示するアプリですので、事前にレートを確認しておけば、騙されることなく両替できます。
なお、Apple store版アプリはありませんので、iPhoneユーザーはサイトから直接確認して下さい。
2.タクシー配車アプリ – Snapp
イラン国内シェアNo.1の配車アプリです。宿のスタッフから教えてもらいました。
タクシーと聞くと、「地下鉄の方が安くね!?」と思った方がきっといるはずです。
実は、タクシー運賃は地下鉄料金と大差ありません。なぜならイランは原油採取国で、ガソリンが安いからです。そのためタクシーの運賃も格安なのです。
使い方はUberやGrabと同様。値段交渉の必要はありませんし、ぼったくりの心配もありません。私が利用した中では優良ドライバーが多く、地方でも使えました。
一つ注意点ですが、使用する前にイランの電話番号が必要になります。事前にアプリをインストールしておき、現地でsimカードを購入してから番号登録してください。また、登録手続きなどの設定はペルシャ語ですので、宿のスタッフなどに頼むと良いでしょう。
3.イラン暦表示アプリ – ペルシャカレンダー
イランは日本のような西暦ではなく、イラン暦で生活しています。長距離バスのチケットもイラン暦表記になので、くれぐれもご注意を。
また宗教上、重要な意味を持つ金曜日や祝日は事前に確認しておきましょう。金曜日は礼拝だけですが、イラン暦の祝日は全員が一日中休みます。
祝日はレストランやバザールなどが閉店しているだけでなく、一部の電車・地下鉄なども止まっています。空港から市街に出る電車でさえ運休しています。
実際、私もこれで失敗しました・・・と言うのも、祝日に入国してしまったのです。
私がインストールしたアプリは祝日が書いてないカレンダーで、全く気が付きませんでした。中でも一番不運だったのが、空港で両替ができなかったことでした。仕方なくタクシー運転手に頼り、街中の両替所まで連れて行ってもらいましたが、案の定グルの店でレートは最悪。1時間近く駄々を捏ねて納得のいくところまで持って行きましたが、拘束させた時間分の追加料金を請求されてしまいました。
イラン暦のアプリはたくさんありますが、下記のような祝日が書かれているカレンダーを選んでください。そしてできるだけ祝日の移動は避けましょう。
4.インターネット – セカイVPN
イランのネット自由度は世界でワースト2位です。
政府がインターネットのアクセス制限・検覧をかけているため、LINE・Facebook等にアクセスすることができません。Twitterや旅行ブログも繋がりませんでした。
繋がらなくても何とかなると言えばそうなんですが、現地で宿を探したり、日本語で旅行情報を収集したりする場合は不可欠になります。
そんな中で役に立つのがVPNです。VPNとはVirtual Private Network(仮装プライベートネットワーク)の略で、通信元と接続先を結ぶ仮装のネットワークのことを指します。簡単に言うと、政府の制限や検覧を潜り抜けて、自由にサイト閲覧ができるようになるのです。
VPNアプリは非常に多くの種類がありますが、私は「セカイVPN」をオススメします。
理由は、実際使っていて非常に電波が良く、複数の端末(パソコンとスマホ等)を同時に使用しても問題なかったからです。
また、このVPNのもう一つのメリットは、登録後2ヶ月間は無料で使用できる点にあります。
渡航前に必ずVPNを使える設定にしておきましょう。
設定方法は「中国・イラン渡航者なら誰でも知ってるVPN」をご参照ください。
5.地図アプリ – MAPS.ME
定番アプリですね。地図を事前ダウンロードしておきましょう。私は宿のWIFIで地図をダウンロードしていましたが、電波が不安定でイライラしました。
ネット環境上、どのマップのGPSも精度は高くはありませんが、全く情報がないよりか幾分ましです。街中ではほとんど英語が通じませんし、イランの街はとても入り組んでいます。また道路の看板もペルシャ語だけなので、マップなしでは確実に迷います。
携帯を出しなが歩いて大丈夫?治安は?と思われるかもしれませんが、私の印象ではイランはかなり治安が良く、現地の人々は普通に歩きスマホしたり、セルフィーしていました。
6.宿探しアプリ – Hostel World
ホステルを主に利用していた私の経験からすると、「Hostelworld」が一番掲載数が多いです。このサイトは世界中のホステルが掲載されているので、利用経験がある方もいるかもしれません。
因みに、「Booking.com」は使うことができません。検索しても0件になります。
「安宿〜A級ホテルを希望する方は「Hostel world」を使うと良いでしょう。
また、「Hostel world」は事前予約が可能ですが、宿泊費全額をネット決算することはできません。現地では基本、現金払いになるため、両替は宿泊費込みの金額行ってください。
イラン渡航にオススメアプリ6選のまとめ
たった6つのアプリで、イラン旅行のハードルはグッと下がったのでないでしょうか?
実体験からして、以上のアプリを最低限入れておけば他国と変わらず自由に旅行することができます。
以前は私も皆さんと同じように、「日本と文化的背景が全く異なる国へ旅行するのは難しいんじゃないか」と考えていました。しかし、実際行ってみると案外不自由することはあまりなく、日本ではあり得ないような刺激に満ちた経験をすることができました。
昨今、イランのニュースは胸を痛めるものばかりで、世間一般からの印象はあまり良くありません。しかし、それは全くの勘違いだと私は断言します。
ネットが普及してどこにでも行ける時代なのですから、今回ご紹介したアプリを駆使して、ご自身の目で一度、イランを見てみませんか?
また、イラン旅行前に知っておきたい7つの常識も覗いてみて下さい。